(14) その他のヒント

専門用語・略語は使わない

記者にとって非常に困るのは業界あるいは社内の短縮語、略語です。「エス・ティー的に言うと、大変困る問題です」との発言に、どんな理論なのか、基準なのか、見当がつかず、分からないままではまずいと思って聞いたら、話し手の自社名、(たとえば、佐々木通商)のことだった、という笑い話にもならない話を記者から聞いたことがあります。

英語は使わない

英語、すなわち「カタカナ言葉」は、悩ましい問題です。カタカナ言葉を使う理由のひとつは、同じことを意味する日本語がないからです。コメントに使われたカタカナ言葉を多くの読者が理解できないと記者が考えると、引用文には使いづらくなります。

会社名を多用する

普段の会話やスピーチでは最初に自分の会社名を言った場合、我が社、弊社、我々は、私たちはというような話し方をします。記者会見や、メディアインタビューでは、主語を省略しないで、文法的に正確な文語調で話すように心がけた方が良いです。

記者会見のスピーチは原稿を読む、または文語調で話す

テレビニュースで使われるのは数秒です。発表会全体としてはとても良い雰囲気でも、放送に使われた部分には、言い違え、言い淀み、「あのー」、「それは、ですね」、「ですから‥‥」などが入っていると、見苦しい印象を視聴者にあたえます。

「前にも言いましたが」はできる限り使わない

記者会見の場合、コメントすべてが使われることはないので、「前にも言いましたが」は意味がありません。テレビ放送の場合、あるコメント部分を使いたいと思ったけれど、途中に「前にも言いましたが」が入っていて、その部分を抜きだすと、映像がぴょんぴょん飛んで、使えないということが起こります

ネガティブ(後ろ向き、否定的)な言葉は使わない

好例として、テレビカメラに向かって「私は悪漢ではない」と言ったニクソン元大統領の話を米国人のメディアトレーナーはよく使います。本人から、そんなネガティブな言葉がでれば、視聴者は「ニクソンさんは、悪漢といわれているんだ」と思うのがオチです。

仮定の質問「達成できなかったら」のようなネガティブな質問だと「仮定の質問」であるとのブレーキが効くのですが、好ましい質問だと、乗せられてしまう場合があります。もちろん状況次第、考え方次第です。夢のような話を次々とぶち上げてゆくのが、成長の秘訣だとの考えもあります。

記者会見では、記者は三つも四つもの質問を一度にする
記者会見の質疑応答では、記者が三つも四つもの質問を一度にする場合がよくあります。多くの参加者がいるため、再度、質問する機会は回ってこないという意識が働くからでしょう。

記者会見の話し手が複数の場合

記者会見に話し手が何人か登壇する場合、話をしている人以外は、目立たないように心がけることが大切です。記者会見の質疑応答では、司会者が進行を整理し、質問者を指名をするのが普通です。

記者が話の腰を折った場合

テレビインタビューで、あなたの話の途中で、記者が別な質問をすることがあります。「いま、その点についてお話ししようと思っていたのです」と前置きをして、質問の答えに移行したらいかがでしょう。

オフレコ・匿名情報提供に注意

オフレコといくら断っても、情報に価値があると記者が判断すれば、その情報は匿名で使われるでしょう。オフレコ、匿名情報については、いったん話をしたら後は自分ではコントロールできない点をじゅうぶんに頭に入れておきましょう。

テレビカメラが見える時は、カメラが回っていると考える

テレビカメラが持ち込まれた場合、記者会見の前であろうと後であろうと、常に撮影されていると考えるべきです。危機管理の記者会見には、PR会社のサービスを受けて、そんな点をチェックしてもらい、「思いがけないショット」を撮られる機会を少なくしましょう。

待ち伏せインタビューの対応
危険がいっぱいの待ち伏せインタビューですから、遭遇の機会を極力なくするのは自衛策です。ただし、しかるべき記者会見には、きちっと登場して話をすることが前提です。

質問の本質に答える

「質問の本質」とは、長々とした質問の最後のコメントです。記者のコメントが少々気になっても、それが最後の質問部分と直接関係がない場合は、記者を話し相手とせずに、聞き流すのが一番です。

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