(10) メディア形式の違い

メディア形式の違い

それぞれのメディアの特徴と、各メディア特有の対応法についてお話しします。

新聞
新聞記事の特徴は、速報性です。以下は、新聞記者とのインタビューの特徴、心がけるべきポイント、注意点などです。
① 新聞はマスコミの代表格で、読者数は、非常に大きく、不特定多数です。従って、誰にでも分かるような平易な話し方を心がけるべきです。
② 記事の長さは、平均的には短い。インタビューから記事に使われる部分はポイントだけと考えたほうが良いです。
③ インタビュー時の外見の制限は少ない。ただし、インタビューの最後に記者がデジカメで写真を撮る場合が多いので、それを念頭において、服装を決めましょう。
④ カメラマンが記者に同行する場合は、服装と取材場所に気を配る必要があります。カメラマンが来る時は、インタビューの場所として、ある程度の広さがある部屋を用意しましょう。
⑤ インタビューは、ソファーより、テーブルで向かい合っておこなう方が良いです。記者はメモをとりやすいし、話し手もキーメッセージなどの資料を目の前に置けます。
⑥ ほとんどの記者はテープレコーダーやICレコーダーを持ち込み、許可を得て使います。より正確な記事が期待できるので、もちろん使用願いを承諾すべきです。
⑦ 産業分野の専門紙の読者は、業界の人たちや会社員です。不特定多数の読者を持つ一般紙の記者があまり興味を抱かない専門的な新技術や産業用新商品の発表にも専門紙は大きな関心を払います。

通信社
通信社には、記者、カメラマンがいて取材をし、記事を書き、写真を撮るところは新聞社と同じですが、記事を印刷し発行するのではなく、新聞社や雑誌社、テレビ、ラジオ、インターネットのニュースサービスなどの加盟社、あるいは契約社に、提供または販売しています。取材を受ける側は、新聞社と同じように対応すれば良い。ただし、取材結果が、いつ、どんな形で、どんな媒体に掲載されるかは、分かりません。加盟社・契約社の編集者次第です。

ラジオ
メディアトレーナーの観点からすると、ラジオ用のインタビューは、すべてのメディアインタビューの中で一番難しいと言えます。特に電話の場合は、パーソナリティーの顔も見えないし、ラジオの聴衆にあなたの顔を見せることもできません。声、すなわち言葉だけです。ゆっくりと話すこと、明瞭な発音を心がけることが大切です。もちろん、ニューススタイルに忠実にのっとって応答をするべきです。

雑誌・専門誌

雑誌の特集記事のインタビューでは、広報の果たす役割は非常に大きいと思います。トップ以外にどんな面白い話し手をアレンジできるか、どんなネタや素材(写真、製品のデモなどの参考資料)を提供できるか次第で、記事の深さが違ってくるかもしれません。
一方、話し手としては、時間はたっぷりあるので細かい話、少々飛躍した話なども、カラフルな記事を書くために役に立つかもしれません。ただし、ニューススタイルの話し方は基本として守るべきです。雑誌の場合、記事が長い分、あなたのコメントが直接引用される機会が多くなります。

テレビ

アメリカでメディアトレーニングが注目されるきっかけになったのは、1960年のケネディ対ニクソンの大統領選テレビ討論会だそうです。以下は、ケネディ対ニクソンの大統領選テレビ討論会でメディアトレーニングが注目されるきっかけになったポイントです。
① ニクソンがメディアトレーニングを受けなかったのに対して、ケネディはメディアトレーニングを受け、テレビ放送の特性やその影響力をじゅうぶんに研究し討論に臨んだ。
②世論調査の結果、テレビ視聴者は、ケネディが圧倒的に有利だと答えた。討論は同時にラジオでも放送されたが、ラジオの聴取者は、わずかの差で、ニクソンが有利だと思った。
③ テレビの場合、話し手が聞き手(視聴者)に与えるインパクトは、話の内容より、視覚的な要素の方がはるかに大きいことが分かった。
テレビインタビューでは、アップで撮影された場合、ちいさな動きが、拡大されて、急激な動きのように見えることが多いので、なるべく体を動かさないなど、事前にトレーニングが必要です。

テレビ取材対応のトレーニング法 
インタビューの練習にはビデオが必要です。三脚または何かの台を用意して、ビデオカメラを自分に向け、カメラからちょっと斜めの場所に記者がいると仮定して、サイズは胸より上のバストショット、あるいは顔だけのアップで撮影すると良いでしょう。ビデオ撮影したあなたの映像をテレビで見ると、いろいろなことに気がつきます。まず、いかにニューススタイルの話し方が大切か、明確に分かります。

テレビインタビューで言葉のインパクトを高める方法
頭にパッと入るニューススタイルの話法を使うとインパクトがあります。他には、服装、所作、姿勢、目線などをなるべく目立たないようにし、口ごもり、口癖などがなるべくないよう心がけます。そして、質問に真剣に答えているという表情をすることです。

オンラインメディア
オンラインメディアは、即時性をそれほど問題にしていないサイトから、記者会見の直後に、記事として掲載されるほどの即時性を売り物にしているサイトなどさまざまです。しかも、第一報が掲載された後、詳細な第二報、第三報が掲載されるなど、紙面や販売ルートの制約がほとんどないだけ、融通性に富んだメディアです。広報活動のベースであるメディアが増えてゆくということはすばらしいことです。メディア戦略の策定も、スポークスパーソン(話し手)の育成も、そのためのメディアトレーニングももっと必要になります。

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